
熱量計測定装置(TGA)
ティー・エイ・インスツルメント社Q500型及びQ50型熱重量測定装置は感度、精度、信頼性、自動化等あらゆるニーズに対応した装置です。そして新製品のQ5000型は更に高性能な装置でQ5000IR型とQ5000SA型があり、革新的な技術を搭載しています。全てのQTGAは長年の経験と蓄積された技術からユーザーの立場になってデザインされた優れた性能を持つ装置です。

TAイノベーション
垂直バランス&水平ガスパージ
Hi-Res TGA™
モジュレイテッドTGA™
赤外加熱
高速昇温TGA
特許のパンパンチ機能付オートサンプラー
湿度チャンバー
キュリーポイント温度キャリブレーション
熱量計測定装置




装置仕様
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* 空プラチナパン使用で50〜1,000℃、20℃/分昇温
** 空ガラスクルーシブル使用で5%RH〜95%RH、30分間25℃ステップ
*** 温度は95℃まで可能、湿度はマスフローコントローラーでセット
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Q5000IRテクノロジー
自動化の進んだQ5000IR型はベースライン安定性、高感度、正確な温度測定、一般的昇温と高速昇温測定等、優れた特徴を持っています。特に真空での測定、自動キュリー点温度キャリブレーション、パワフルなソフトウエア、コンタミネーションの無いパンパンチ機能付25サンプルオートサンプラーもその特徴です。複雑なTGA測定には最適装置です。

1 熱天秤
Q5000IR型は最新の装置で、熱天秤部はガスパージチャンバーも含めて常に40℃に保たれています。ファーナスとの間には水冷プレートが置かれて熱を遮断していますので、感度やベースラインは常に安定して得られます。赤外LEDとフォトダイオードでビームのアンバランスを補正します。又、装置のフレームは堅牢に作られているので安定性が高くなる理由となっています。
特徴: 特許申請中のデザインで室温から1200℃まで信頼性の高い測定が可能で、ベースライン安定性や重量変化精度、正確性は他に類を見ません。
2 オートサンプラー
Q5000IR型用オートサンプラーは25サンプルまでセットでき、フレキシブルで信頼性の高いTGA測定を可能にします。サンプルパンのテアー、ローディング、初期重量測定、ファーナスセット、サンプルパン取り出し、ファーナスクーリング等は全自動です。サンプルパンにはプラチナ、セラミックそしてアルミニウムがあります。その他の特徴として、パンにシールされたサンプルを測定開始寸前にパンチで穴を開ける機構です。この特許のパンパンチ機能はコンタミネーションが無いので信頼できる結果を得ることが出来ます。
3 ファーナスデザインと温度測定
Q5000IR型は赤外加熱方式のため広範囲(0.1〜500℃/分)な昇温速度で室温〜1200℃の範囲で容易に測定出来る装置です。4ケの赤外ランプで加熱し円筒のエンクロージャーがサンプルの昇温を均一にしています。ファーナス内部はクォーツライナー、上部下部熱シールド、そしてサンプルに近くセットされた熱電対で構成されています。又、他の特徴として電磁石コイル、強制ガスファーナス冷却、真空での測定等があります。
特徴: 赤外加熱方式ですので一般測定やアドバンスド測定 (Hi-Res™ TGA、モジュレイテッドTGA™ )そして高速昇温測定を可能にします。ヒートシールドは容易にクリーニングができ、又、真空条件での測定で分解能を上げることが可能なため複雑な成分分析に有効です。 又、Q5000型のもう1つの長所はキュリーポイント温度キャリブレーションが容易なことです。
4 パージガスシステム
サンプルに直接ガスがフローして正確な測定を可能にする効果的な水平パージガスシステムが垂直熱天秤とファーナスに搭載されています。ガスはバランスチャンバーとサンプル室へ流れ、パージガスは即座に排出されるのでMSやFTIRとの接続に便利です。デジタルマスフローコントローラーで精度の高いガス流量設定が可能になります。又、不活性ガスから酸素雰囲気への切換え等も自動的に行えます。
特徴: 自動浮力コレクションでより正確な重量変化データを得ることが出来ます。ガス流量もデータファイルにストアー出来ます。

Q5000SAテクノロジー

1 熱天秤
Q5000SA型は最新の装置で、熱天秤部はガスパージチャンバーも含めて常に40℃に保たれています。ファーナスとの間には水冷プレートが置かれて熱を遮断していますので、感度やベースラインは常に安定して得られます。赤外LEDとフォトダイオードでビームのアンバランスを補正します。又、装置のフレームは堅牢に作られているので安定性が高くなる理由となっています。
特徴: 特許申請中のデザインで室温から1,200℃まで信頼性の高い測定が可能で、ベースライン安定性や重量変化精度、正確性は他に類を見ません。吸着分析に大事なことはバランス機構が完全に対称である事です。
特徴: 特許申請中のデザインはベースライン安定性、精度の高い重量変化検出をより改善し、蒸気の凝縮や静電気等も防ぐことが出来たため正確な吸着重量分析が可能になりました。
2 オートサンプラー
Q5000SA型用オートサンプラーは半球形状のガラスクルーシブル5ヶ、Q5000IR型用のトレイを使用して 25サンプルのプラチナパンを自動測定することが出来ます。サンプルパンテアー、ローディング、初期重量測定、ファーナスセット、サンプルパン取り出し、そしてファーナス冷却は完全自動操作です。操作はアドバンテージTMソフトウェアで容易に出来ます。
3 湿度コントロールチャンバー
特許申請中のデザインでマスフローコントローラー(MFC)と併用して精度の高いコントロールが可能になります。高品質のアルミブロックで作られており高い密封性を有しています。その構成は湿度発生装置、ソレノイド、ガストランスミッション、そしてミキシングラインから成っています。ブロック内部の温度は10〜80℃にペルティエ加熱でサーミスタクローズループ方式で制御されます。NIST法でキャリブレーションされたセンサーはサンプルとリファレンスクルーシブルに近接してセットされ湿度と温度を測定します。マスフローコントローラー付の湿度コントロールセンサーはクローズドループシステムで作動します。ガス流量の調節はソフトウェアでMFCを通して5%〜95%RH相対湿度レベルに自動的にコントロールします。サンプルチャンバーセンサーはサンプルの温度と相対湿度を読み取ります。そしてソレノイドが作動して湿度発生装置にドライガスを流します。もし必要ならサンプルを0%相対湿度まですることも可能です。Q5000SAは又、相対湿度センサー無しで、MFCを通して流量のパーセンテージをコントロールしてマニュアルモードでの操作も可能です。


Q500/Q50テクノロジー


1 ファーナス
Qシリーズ500型/50型TGAのファーナスは精度の高い温度コントロール等優れた性能を多く持っています。
特徴: 温度は広範囲において迅速に、正確性が高く、しかも高精度にコントロールされます。特にQ500型では最新技術のHi-Res™ (高分解能)TGAやモジュレイテッドTGA™ が可能になります。
2 熱天秤機構
QシリーズTM500型/50型TGAは高精度で信頼性の高い熱天秤を使用しており、しかも天秤機構は一定温度コントロールされているため常に安定性の高い測定が可能です。null-balance原理を採用しており、赤外LEDとフォトダイオードを使用したオプティカルサーボ回路で重量変化を光で検知し、素早くバランスコイルにフィードバックするため、レスポンス、分解能、重量精度等全ての性能が向上します。装置は 0-200mgと0-1gの重量範囲を自動的に切り替えるようにデザインされています。
特徴: 室温〜1000℃の範囲でベースラインドリフトやノイズが非常に小さく、微量重量変化を高精度で検出し、信頼性の高い分析が可能になります。
パージガスシステム
効率の良い水平パージガスシステムは熱天秤機構/ファーナスと共にユニークな特徴の一つです。ディジタルマスフローコントローラーで制御されたパージガスは、正確に常に一定量でサンプルパン上に横からフローします。又、パージガスはバランス室からもフローされておりバランスの保護をしています。そしてパージガスをMS(質量分析)やFTIRに容易に導入することが出来ます。
特徴: 浮力影響を防ぎ、ベースラインドリフトが少く、又サンプルから発生する分解ガスを効率良くパージします。
温度コントロールと測定
精度の高いデータはユニークデザインから得られます。コントロールとサンプル温度測定は一本の熱電対で行われているため、検知部におけるサーマルラグが無く、正確な測定が可能になります。又、同一の熱電対がもう一本すぐ近くに設置されていることも信頼性のある測定につながっています。
特徴: ヒーティングコントロールとサンプル温度測定を同時に行っているため精度が上がります。この画期的デザインのコントロール/フィードバックシステムが設定温度とサンプル室の温度を一致させています。又、もう一本設置されている熱電対の役割は、サンプル温度とコントロール温度に差が生じた場合に自動的に熱電対が切り換わり、測定を完成させることが出来ます。
TGAアクセサリー&オプション

EGAファーナス
EGAはQ500型/Q50型のオプショナルなファーナスで、内部は石英ガラスで出来ています。そしてサンプル室のボリュームが小さいためサンプルから発生したガスは素早く外部へパージされます。しかも石英ガラスなのでガスの吸着や反応がありません。MS(質量分析計)やFTIRに接続して定性分析を行うのに理想的なデザインです。ティー・エイ・インスツルメントは質量数300amuまでのトリプルフィルター四重極質量分析装置とインターフェースキットを販売しており、又、FTIRの各メーカーは弊社TGAと接続出来るガスセルやインターフェースも用意しております。

オートサンプラー
Q500型TGA用オートサンプラーは、16サンプルまでをランダム又はシーケンシャルな自動分析を可能にします。空パンのテアー、サンプルパンローディング、サンプル重量秤量、ファーナスセット、測定後のパン取り戻しそしてファーナスクーリング等も完全自動です。更にアドバンスド自動解析ソフトウエアにより全く手の掛からない有能なオプションと言えます。

マスフローコントローラー (自動ガス切換機能付き)
マスフローコントローラーは正確な流量と再現性の良いパージガスフローを常にコンスタントにコントロールします。特徴は、従来のフローコントロール方式に比べて安定性の高いデータが得られることです。ローボリューム/ハイスピードバルブによる自動ガス切換機能はプログラムによりコントロールすることも可能です。
温度キャリブレーションと重量減少検証
ティー・エイ・インスツルメント社は、ICTAC保証書付標準物質とNIST法による標準物質でキュリー点温度キャリブレーションが可能になる標準試料を販売しています。QシリーズTGAのキャリブレーションは150〜1120℃の範囲で実施出来ます。又、Q5000IR型は先例のない温度キャリブレーション法を可能にする電磁石コイルを搭載しています。 ティー・エイ・インスツルメント社は、別々に装置の性能を確認するための重量減少検証用標準物質も販売しています 。


アドバンスドTGAテクニック
ティー・エイ・インスツルメント社は、TGA高分解能化や分解反応キネティック研究のためのソフトウェア等の開発のパイオニアで常にパワフルでしかも簡単に操作の出来る装置開発を心掛けています。
ハイソレゾリューションTGA (HI-Res™ TGA)
HI-Res™ TGA*はティー・エイ・インスツルメントの特許製品で、重量変化の度合いに従ってヒーティング速度をコントロールして、スタンダードTGAに比べて格段に分解能が向上する測定モードです。Q5000IR型とQ500型は精度の高いそしてレスポンスの速い温度コントロールおよび微量重量変化の検出等の優れた性能を持っており、この目的には理想的な装置です。温度コントロール方法にはコンスタントリアクションレート、ステップワイヅアイソサーマル、ダイナミックレートの3モードとコンスタントヒーティングレートのモードがあります。各モードそれぞれ利点はありますが、最も実用的なモードはダイナミックレート法です。Q5000IR型にはコンスタントリアクションとダイナミックレートが付いており、Q500型はオプションです。簡単に高分解能データが得られ、測定時間も短い測定法です。
モジュレイテッドTGA™ (MTGA™)
MTGA**は熱分解解析へのティー・エイ・インスツルメントの画期的技術の一つです。Q5000IR型とQ500型TGAに搭載可能です。技術はHi-Res TGAやMDSC*と同じでヒーターコントロールテクノロジーから生まれました。得られるデータは時間や温度を関数とした活性化エネルギー等のキネティクデータです。一回の測定で簡単に情報が得られます。
*米国特許No. 5,165,792
カナダ特許No. 2,051,578
ヨーロッパ特許No. 0494492
**米国特許No. 6,113,261 and 6,336,741

Q5000IR型サンプルパン
Q5000TGAにはプラチナ(50と100 µL)、セラミック(100と250 µL)、アルミオープン(80 µL) 、シール(20 µL)パンが用意されています。プラチナパンがクリーニングの仕易さや広範囲の応用(室温〜1000℃)から最も多く使用されます。1200℃までの測定にはセラミックパンをお勧めします。発泡材等のような高容量、低密度サンプルには大きいパンを使用します。又、サンプルがプラチナと反応したり合金になるような場合はセラミックを使用します。アルミパンは低価格ですが温度上限が600℃です。Q5000IR型用には専用の新デザインパンが用意されています。

Q5000SA型サンプルパン
Q5000SA型には半球形状クオーツクルーシブル(180 µL)とオプションでプラチナ(50と100 µL) TGAパンが用意されています。クオーツクルーシブルは化学反応が無いことやクリーニングが容易なことの理由で吸着分析に用いられます。プラチナパンは一般TGA測定用でQ5000SA型とQ5000IR型用には専用の新デザインパンが用意されています。

Q500型/Q50型サンプルパン
Q500型とQ50型TGAには室温から1000℃まで使用可能なプラチナ(50と100 µL)と新スタイルセラミック(100, 250と500 µL)が用意されています。プラチナが最も一般的です。発泡材等のような高容量、低密度サンプルには大きいパンを使用します。又、サンプルがプラチナと反応したり合金になるような場合はセラミックを使用します。アルミパンは低価格ですが温度上限が600℃です。
応用
高感度揮発性分析
水や揮発成分の動向は生産プロセスにおいて重要な問題になります。Q5000IR型の高感度機能はこれらの成分の精度の高い定量分析を可能にします。新アルミハッチトップパンは吸質性のあるサンプルを密封し、測定直前までオートサンプラーにセットされています。図1にポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルの微小サンプル(2.4mg)の揮発成分分析結果を示します。0.2%の重量減少が検出されており、5.2 µgの吸質分の質量変化であることが解ります。

水化物評価
医薬品の研究者は常に薬物の熱力学的パラメーターの評価を行っています。図2にラクトースモノハイドレートのハイドレート分解温度に関するデータを示します。サンプルは蒸気圧が到達するまで重量減少を抑えるために20ミクロンの穴の開いたカプセルにシールされました。温度反応が良いQ5000IR型で優れた分解能での結果を得ることが出来ます。

残存物評価精度
一般的にTGA測定で有機物中に混入されている無機物フィラーや顔料の量を分析することが出来ます。分析において大事なことは残存物の重量精度ですが、それにはベースラインの安定性、テアーの再現性等が優れている事が必要となります。その点でQ5000IR型はそれらの条件を十分に満足します。図3にポリオレフィンのフルーツジュース容器の15mgサンプルの分解データを示します。0.28%の残存物があることを示しています。

速い分離
有機物や無機物の分離においてQ5000IR型の赤外加熱方式は高速昇温や迅速冷却が可能なため測定時間を短縮することが出来ます。図4に40℃/分と500℃/分の昇温におけるポリプロピレン中のカーボンの測定結果を示します。Q5000IR型で優れた定量性の結果を得られることと更に測定時間を少なくとも6倍短縮することが出来ます。25サンプルオートサンプラーで生産性の高い測定が可能になります。

炎抑制剤テスト
今日、ほとんどの物質に炎抑制剤を添加することが要求されています。耐火性物質を開発するにおいて炎抑制剤の評価は重要です。Q5000IR型の高速昇温機能を利用して炎の状態をシュミレート出来ます。図5にQ5000TGAで500℃/分昇温における空気雰囲気での炎抑制剤有り無しのポリプロピレン測定結果を示します。炎抑制剤の効果がはっきりと確認されます。

簡単なキュリーポイント温度キャリブレーション
電磁石コイルがQ5000IR型に搭載されキュリーポイントキャリブレーションが非常に簡単になりました。そして複数の磁力特性の異なったキュリー温度物質を同じ実験で評価することが出来ます。

水分吸着重量分析 - ジェネラルプラクティス
水分吸着分析はコントロールされた温度と湿度の条件下でサンプルの状態を決定するために開発された技術です。一定温度そして一定湿度での測定が最も一般的です。一定温度測定でサンプルはドライ状態から湿度のステップ変化状態にさらされます。サンプルは重量変化が起こらなくなるまで各湿度条件下におかれ、その時の重量を測定します。データポイントは記録され湿度は5又は10%RHステップで変化します。一定湿度測定は温度ステップ変化を繰り返し、類似の結果が得られます。これらの情報はどのようにサンプルが湿度条件下にさらされたかによる物理化学変化を表します。
Q5000SA型は吸着分析、BET分析そしてGABプログラムを可能にします。ユニバーサルアナリシスソフトウェアのパワーとフレキシブル性はデータ操作を容易にし、レポート、プロット、ファイルエキスポート、結果のeメール等を自由に行うことを可能にします。Q5000SA型は温度と湿度のキャリブレーションは実施されており、保証付塩(NaCl)はナショナルメトロロジーラボラトリー(NIST)又は、ティー・エイ・インスツルメントから販売されています。これでお客様も独自でキャリブレーションが出来ます。
検証と応用
キャリブレーション後の装置の性能は素性の明確な標準物質で検証する必要があります。吸着分析には、ポリビニルピロリドン(PVP)、スターチ1500、BCR-302、ヨーロピアンエコノミーコミュニティーによって開発されたマイクロセルロース等を使用すると検証することが出来ます。このような標準物質を使用して精度の高い結果が得られると言うことは、水分吸着分析装置の性能が優れていることを表しています。次のデータは新製品Q5000SAの性能の高さを明確に示しています。
ポリビニルピロリドン(PVP)はヘアースプレー等パーソナルケアー用品に使用される水溶性ポリマーです。その望ましい特性は乾燥状態時には硬く、そして水に完全に溶けることです。それが容易な洗髪につながります。そのような評価は一定湿度条件下での水化物化測定で可能になります。図1にQ5000SA型で42%〜80%の相対湿度条件下で得られたPVPの測定結果を示します。 この結果は期待した値(42 % +/- 2%)と一致します。

食品の(COST90プロシージャー)の水分吸着に関する測定の検証のために使用されるマイクロ結晶セルロース(BCR-302) EC標準物質のデータは、全ての規定湿度レベルで期待通りの結果になっています。 特に注目すべき所は低湿度レベルでの値です。それはQ5000SA型で0%まで正確に湿度を下げられることを証明しています。乾燥したBCRサンプルは非常に吸湿性が高くなっています。測定する前に水分を吸収してしまう可能性が大なので精度の高い測定を行うには困難ですが、Q5000SA型の結果と比較して値は非常に一致しています。

乾燥と言う手法は食品の保存法として用いられてきましたが、今日の食品生産では水分の影響についての研究が製品の品質とライフタイムを推定するためのキーとされています。図3にライ麦粉をQ5000SA型で20及び15℃一定温度で測定した結果を示します。データは食品製品の多くに共通する状態のBETタイプを示しています。20%湿度以下の領域では硬くパリパリした状態を表しています。20〜60%湿度の領域ではフィルムのような柔軟性のある状態で、60%湿度以上では軟らかくグニャグニャしている状態を表しています。

ハイレゾリューションTGA
ポリビニルアセテートをスタンダードTGA、ステップワイヅアイソサーマルそしてダイナミックHI-Resモードによる測定結果比較を図4に示します。分解能の違いがはっきりと確認出来ます。この場合ステップワイヅアイソサーマルによる結果が最も分解能は高くなっていますが、非常に長い時間を要しています。ダイナミックモードでは短時間で高分解能データが得られており最も実用的と言えます。

ハイレゾリューションTGA
図5にスタンダードTGAとHi-Res TGAでポリウレタンを測定した比較を示します。Hi-Res TGA測定結果がスタンダード測定に比べて格段に分解能が上っていることが明確に出ています。分解能の高いデータは分解開始温度又は終了温度、そして重量変化の定量が正確に分析出来ます。

モジュレイテッドTGA
図6に60%エチレンビニルアセテート(EVA)の分解をMTGA法で測定しキネティック情報が得られたデータを示します。一回の測定でEVAの分解挙動を測定し、同時に温度を関数とした活性化エネルギーが連続して得られています。MTGAはQ5000IR型に付属し又、オプションとしてQ500型にも搭載出来ます。

熱重量測定装置は温度又は時間を関数として物質の重量変化の量と速度を測定するものです。研究開発や品質管理に使用され、下記のような物質の評価にはTGA測定は有効な手段です。
・ 成分分解 ・ 熱安定性 ・ 酸化安定性 ・ 分解反応 ・ ライフタイム推定 ・ 水分や揮発成分の量
酸化安定性
TGAの主な用途は物質の熱安定性評価や重量減少プロファイル観察です。一般的ポリマー(PVC, PMMA, HDPE, PTFE, PI)とポリイミドのデータを図7に示します。この結果から各物質の耐熱性が解ります。

成分分析
TGAは各成分の重量(mg又は%)を測定することによって温度、時間、雰囲気条件におけサンプル成分の量を決定することが出来ます。
図8に3種類のペイントの定量分解分析の結果を示します。主コポリマーのタイプ、量、分解機構等が観測されます。低温領域(150℃以下)の変化はソルベント(水やオイル等)の蒸発による重量減少です。

水分や揮発成分分析
TGAで重要な測定に一つに吸着水、結合水或いは閉塞水そして有機揮発物の定量があります。図9に窒素ガス雰囲気における有機塩水化物の結果を示します。
3.6%、2.3%そして9.6%の3段階の変化が検出されていますが、これは塩表面やその他に結合している水の状態を示しています。

添加剤の効果
図10に炎抑制剤を添加したポリカーボネートと添加していないものの測定結果を示します。炎抑制剤を添加した物質は添加されていない物質よりも20〜25℃低い温度で分解しています。又、重量変化もスタンダード物質より大きくなっています。(e.g., 48% vs. 28%, 460 _C時点)。これは炎抑制剤がポリカーボネートの分解を促進させていることを表しています。

検証
TGAによる重量変化の正確さを検証する必要があります。ティー・エイ・インスツルメント社は装置の性能検証のための保証付重量減少標準物質を販売しています。高沸点ポリオール中に2%、50%、98%の2-エトキシエチルアセテート(b.p.150 _C)溶液が含まれている標準物質です。図11に3種類の標準物質の測定結果を示します。結果は標準物質の値と一致しています。

ベースライン安定性
図12にQ5000IR型で空パンを50℃〜950℃の範囲で測定した結果を示します。全ての結果においてベースラインドリフトは10 _g以下です。そして再現性も非常に優れています。このような性能を持つQ5000IR型でポリマー、食品、医薬品等の揮発物のような複雑な成分の中の微少重量変化も容易に高感度で測定が可能になります。

キュリーポイントキャリブレーション - 電磁石方式
図13にICTACやNIST保証のキュリーポイント標準物質測定結果を示します。装置はQ5000IR型を使用しており、結果値は文献値と一致しています。Q5000IR型には電磁石が内蔵されており、キュリーポイント測定には非常に便利にデザインされています。

アイソサーマルベースライン安定性
図14にQ5000SA型のベースラインドリフトデータを示します。測定には空のクルーシブルが使用され、25℃一定温度で1000分間5%〜95%相対湿度範囲を吸着/脱離における結果です。トータルベースラインドリフトは1µg以下です。この結果からもQ5000SA型の安定性が証明でき、それにより精度の高い吸着分析が可能になります。


